大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)955 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人香山親雅の上告理由第一点について。

所論は被上告人(控訴人)のした原判示の解約申入の信義則違反をいうが、賃借

人の居住事実を知りながらその賃借家屋を買い受けた者が賃貸人としてなした解約

の申入はそのことだけで信義則に違反するというをえないこと原判示のとおりであ

る。所論は理由がない。

同第二点について。

弁済供託が有効であるためには、事前に弁済の提供をしても債権者が受領を拒絶

したこと(または受領し能わざること)を必要とするから、その要件の欠缺を理由

として供託の無効を訴訟において主張する債権者が供託金を受領しないのは当然で

ある。従つて、その不受領の事実から供託要件としての事前の受領拒絶を推認する

ことはできない。これを推認しうるとの所論は採用するに足りない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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